シリコン流し
(1)今回の型取りに使うシリコンは3種類。ウエーブBJのHG-017、シスラコン8000とシスラコン3493。後者二つは1:1の混合で使います。HG-017はその硬化後の堅さと、値段の安さ、混入気泡の抜けの良さが優秀であり、型のサポートに使うと考えてください。
単品で使うとシスラコン8000とHG-017は硬化後の感じがとても似ております。
(2)まずシスラコンを混合したもの(100g+100g)を混合撹拌し、型枠に流します。クレオスのL10でエアかけを行い、内包する気泡を十分可能な限り取り除きます。ちなみにクレオスL5コンプレッサーの圧力では気泡を取るのは難しいようです。
(3)このあと更に200g追加し、エアかけを行いました。
(4)増量剤として使うHG-017のブロックです。過去に使った廃シリコンですが、これが欠かせません。大きめのカッターでブロック状に予め切っておきます。
(5)(3)のものに気泡が入らないように平らな面を下にして配置します。これはシリコンを節約するだけではなく、混合シスラコンの膜に固い凹凸を食い込ませる事になり、後に流すHG-017との橋渡しとなると考えております。
(6)もう一度混合シスラコン200gを流しエアかけを行います。
(7)(6)が硬化したら、HG-017を200g流しました。シスラコンに比べ流動性が高く、気泡の抜けも良いためエアかけはしません。ちなみにクレオスL10では圧力が高すぎてHG-017は吹っ飛んでしまいます。
(8)ここで新登場の医療用ガーゼ(80円にて薬局で購入)をセンターコア付近の大きさに切り出します。
(9)(10)センターコア付近に乗せたガーゼに気泡が入らないように爪楊枝でそっと押してあげます。ガーゼはシリコンのしみ込みもフィット感も良いようです。
(11)シリコンにガーゼがなじんだら更に400gのHG-017を流して片面終了です。
※今回試験的にガーゼを導入しました。理由は型中心部(12)の「伸び」防止のためです。
遠心において、「大きなものは抜けない、変形が大きい」と言われているのはなぜでしょう?今回の場合一番大きいのはセンターコアによる「空間」です。この空間は他と比べるとシリコンが薄く、しかも回転中は外側に向けて力がかかるため、上側の型も、下側の型もとても変形します。
その現象を押さえるために、ガーゼを使いシリコンの伸びを抑える事としました。シリコンを含ませたガーゼは伸びません。垂直方向からの力に対してはほとんど力を発揮しませんが、水平方向からの引っぱりには力を発揮するものと期待しております。
以下引き続きの作業となります。裏返した際型枠いっぱいまでシリコンが流されいない場合は自重で変形しますので気をつけましょう。それ以外は普通の型取りと同じです。説明は後日時間を見つけて。



■参考画像
